「やりたいことが分からない」は、当たり前
就職活動を始めると、誰もが「あなたのやりたいことは何ですか?」という問いに直面します。 しかし、これまで仕事をしたこともない学生が、この問いに明確に答えられないのは、むしろ当然のことです。
多くの学生は、「何か特別な、運命的な『やりたいこと』を見つけなければならない」というプレッシャーを感じ、焦ってしまいます。
しかし、ここで一度、視点を変えてみましょう。 「やりたいこと(Do)」が見つからないなら、「ありたい姿(Be)」 から考えてみる、というアプローチです。
「Do」ではなく「Be」から考える
- やりたいこと(Do):具体的な「行動」や「職種」。(例:ITエンジニアになりたい、マーケティングの仕事がしたい)
- ありたい姿(Be):あなたがどのような「状態」でいたいか、という価値観。(例:常に新しい知識を学び、成長し続けていたい、社会の役に立っていると実感していたい)
「Do」は、時代や環境によって変わる可能性がありますが、「Be」という価値観は、あなたの人生の根幹をなすものであり、簡単には変わりません。
「ありたい姿(Be)」を見つけるための3つの質問
質問1:どんな時に「充実感」や「喜び」を感じるか?
過去の経験を振り返り、あなたの心が「満たされた」瞬間を思い出してください。
- 例:「難しい数学の問題が解けた時」→ 知的好奇心を満たしたい
- 例:「文化祭で、チーム一丸となって成功させた時」→ 仲間との一体感を感じたい
- 例:「アルバイトで、お客様に『ありがとう』と感謝された時」→ 誰かの役に立ちたい
質問2:どんな大人・社会人に「憧れ」を抱くか?
あなたの周りにいる、あるいはメディアで見た、あなたが「こんな風になりたい」と思う人物は誰ですか?その人の「どんな部分」に惹かれますか?
- 例:「常に新しい事業を立ち上げている起業家」→ 変化や挑戦を楽しみたい
- 例:「専門分野を極め、後輩から頼られている先輩」→ 専門性を高め、頼られる存在でいたい
- 例:「仕事とプライベートを両立し、趣味も楽しんでいる上司」→ バランスの取れた豊かな人生を送りたい
質問3:お金や時間の制約がなかったら、何をしたいか?
究極の質問です。もし、明日から働く必要がなくなったとしたら、あなたはその時間を何に使いますか?
- 例:「世界中を旅して、様々な文化に触れたい」→ 多様な価値観に触れ、視野を広げたい
- 例:「好きなだけ本を読んだり、映画を観たりしたい」→ 知的な探求を続けたい
- 例:「NPOを立ち上げて、恵まれない子供たちを支援したい」→ 社会的な課題を解決したい
「ありたい姿」と「企業」を結びつける
これらの質問を通して、あなたの「ありたい姿(Be)」の輪郭が見えてきたら、それを「企業選びの軸」に変換します。
例:あなたの「ありたい姿」
- 知的好奇心を満たし、常に新しいことを学び続けたい。
- チームで協力し、一体感を感じながら働きたい。
- 自分の仕事が、社会の役に立っていると実感したい。
変換後の「企業選びの軸」
- 研修制度が充実しており、社員の学習意欲を支援する文化があるか。
- プロジェクトベースで、チームで協力して進める仕事が多いか。
- 企業の理念や事業内容に、社会貢献性の高さを感じられるか。
このように、「ありたい姿」を軸にすることで、業界や職種といった表面的な「Do」に縛られず、より本質的なレベルで、あなたに合った企業を見つけ出すことができます。
まとめ
「やりたいこと」は、今すぐに見つからなくても全く問題ありません。 それは、キャリアを歩んでいく中で、少しずつ形作られていくものです。
まずは、あなたが「どんな状態でいたいか」という、自分自身の「心の声」に耳を澄ませてみてください。 その「ありたい姿」こそが、あなたの就職活動、そしてこれからの人生を照らす、最も確かな道しるべとなるはずです。